アンジェリーナ・ジョリーの決断 Healthcareの新しい概念

2018.05.23
2018.12.09
ネットスタイル 山崎博史

前回、「体は個人の情報」という言葉を使った。ピンとこない人もいるかもしれないので、実際の誰もが知っているニュースを紹介したい。

それはアンジェリーナ・ジョリーさんが乳房切除をしたというニュースである。2013年の話だ。ジョリーさんは「現実を知り、出来る限りリスクを最小にするために行動を起こした」と手術を決断。卵巣がん手術はより複雑で、乳がんリスクの方が高かったため、乳房切除手術を決めたという。執刀医はビバリーヒルズにある「Pink Lotus Breast Center」の院長クリスティー・ファンク医師だ。

Kristi Funk

実は2014年に理化学研究所がクリスティー・ファンク医師を日本に招聘し専門家の会合を開いたことはあまり知られていないが、その2ヶ月前に理化学研究所から順天堂大学の乳腺外科に連絡があり、市民を交えた講演会を順天堂で開いてもらえないかというオファーがあった。

当時、乳腺外科の齊藤教授のお手伝いをしていた関係で、私が事務局をすることになった。すでに日程も決まっているし、ポスターなどの顔写真の使用依頼、略歴の確認などをPink Lotus Breast Centerに問い合わせたりして準備万端で当日に望んだわけだが、不幸にも私はインフルエンザにかかってしまい、事務局の仕事を全うすることもできなかったし、ご本人にお会いすることもできなかった。

さて、2回目の衝撃的なニュースはつい最近のことだ。日本乳癌学会が3年ぶりに改定した診療ガイドラインを公表した。遺伝子変異が原因で乳がんを発症した患者について、がんになっていない側の乳房も再発予防を目的に切除することを「強く推奨する」との見解を示した。 ジョリーさんの決断と行動は、まさに自分の個人情報を元に良いよい人生を選んだことになるだろう。これが「Healthcare」の新しい概念の枠組みになっていく。

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乳腺外科医と食事した時に最近の芸能人の乳がんによる死亡をショッキングな内容で報道していることに懸念を示していました。乳がんはすべてのがんの中でも生存率が最も高いにも関わらず、マスコミは、乳がん=死、というイメージを植え付けています。正しい知識を持つことが最善の予防であり、乳がんになったとしても正しい予後を過ごすことができます。ただし、本格的に知りたいと思っても、乳がんは非常に難しいメカニズムですので、安易なホームページや友人の話では到底理解できない分野です。『分かったつもり』は危険です。

そういう意味でアンジェリーナ・ジョリーさんの執刀医であるPINK LOTUSのクリストファー医師のブログは有益です。お勧めします。