民生委員の理解を深める

2011.08.31
ネットスタイル 山崎博史

先日のケアカンファレンスでは、地域包括支援センターのケアマネに来ていただき、介護の立場から在宅医療を語っていただいた。その後、2例ほどの実例を見ながら、医師、看護師などを交えて意見交換を行った。今回の事例では、独居老人の問題でいろいろ勉強することができた。

それは、民生委員に関してだ。民生委員法は昭和23年に出来た法律で(昭和二十三年七月二十九日法律第百九十八号)当時は敗戦から立ち直り始めたばかりのころであり、この法律の目指すところは現在と相当違っていると言わざるを得ない。現在、民生委員の職務として第14条には次のように規定されている。平成13年に改正されているので、昭和23年当時とは違っていると思う。

第十四条  民生委員の職務は、次のとおりとする。

一  住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。
二  援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。
三  援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。
四  社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。
五  社会福祉法 に定める福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)その他の関係行政機関の業務に協力すること。

地域で一人暮らしをしている人を見守る体制は、町内会や自治会をひとつの括りとして民生委員が見回っているケースが多い。昔ながらの地域では、この連携が非常にしっかりしているが、新興住宅地では隣どおしでのお付き合いも薄い。なおかつ、過度なプライバシー保護の為に町内会名簿なども限られた人だけが持っているケースが多く、民生委員にとっては活動しにくくなってきている。特に問題は介護に関してである。ケアマネとの連絡のやり取りや、役所の担当窓口との折衝や、縁故者への連絡、一番時間が取られるのが、介護計画を立てるときのカンファレンスへの出席だ。しかし、民生委員は基本的にボランティアで交通費以外は請求できないのである。

福祉関係者や医療関係者などは仕事として成り立っているが、民生委員はまったくのボランティアであるにも関わらず、非常に頼り切られているのが現状である。しかも、民生委員の処遇に関する議論は皆無といってもよい。これでは、早晩民生委員に頼りきっている独居老人の見守り体制は崩れてしまうだろう。

m e m o

お問い合わせ

医療関係のビジネス、製薬メーカーのマーケティング、講演など承っております。お気軽にお問い合わせ願います、問合せページ

介護医療保険の要点とその製薬企業に与える影響 vol.1

昨今、国民医療費に占める薬剤費の割合に関してさまざまな意見が出されている。厚生労働省の調べによると2009年度の国民医療費に占める薬剤費は8.9兆円と推計されていて、全体の25%にあたるが、包括払いの数値が組み込まれていないため、実際の薬剤費の割合はもう少し大きくなると思われる。...続きを読む

介護医療保険の要点とその製薬企業に与える影響 vol.2

医療保険には、公的医療保険と民間の医療保険の2種類があるが、ここで述べるのは、公的医療保険である。医療保険制度は先に述べたように、健康保険法等に規定されている。...続きを読む

介護医療保険の要点とその製薬企業に与える影響 vol.3

高齢者福祉の歴史的な流れを見ると、1960年代に高齢化率が5%を超えるようになり1963年に老人福祉法が制定された。1973年には老人医療費が無料化されるに至り老人医療費が増大するようになった。このため1982年に老人保健法が制定され老人医療費の一部負担の導入がなされた。...続きを読む

介護医療保険の要点とその製薬企業に与える影響 vol.4

医療保険において、今後も医療機関での窓口負担が変動する事が予想される。これに伴い、受診率は一時的に減少すると思われるが、患者数は平均すると同程度推移すると思われる。...続きを読む